いじめによってうけた心の傷~PTG(心的外傷後成長)という視点
不登校は原因がはっきりしないことも多いですが、はっきりと原因がわかることもあります。
その一つにいじめがあります。
“いじめがあったので不登校になる”
ごくごく当然の結果です。
でも逆は成立しない。
×いじめがなくなったので以前のように登校する。
いじめの解決とは
いじめの解決とは、文部科学省のHPによりますと
謝罪だけでなく
(1)いじめの行為が止んでいること(少なくとも3か月間)
(2)被害を受けた子供が心身の苦痛を感じていないこと
と書かれています。
(1)についてはわかりやすいかもしれません。
しかし(2)については簡単なことではありません。
- いじめ加害者がいくら謝っても
- いじめがなくなったとしても
傷ついた心はすぐには修復しません。
安全なはずの学校が安全ではなかった。
そしてありのままのあなたが素晴らしいと親も先生も言ってたけど
“ぼく・わたしは、素晴らしくなかったからいじめられた”
とお子さんは、思ってしまった。
そんな状況で学校などいけるはずがない。
前に進むには
- ゆっくり
- じっくり
お子さんが自分でもう一度“安心感”と“自尊感情”を積み上げていくしかありません。
時間がかかるかもしれません。
大人ができること~PTG(心的外傷後成長)という考え方
PTGとは、非常につらく苦しい出来事をきっかけとした人間としてのこころの成長を指します。
傷つきから人は成長することができる(日本女子大学 福島 円さん)ということです。
しかしここで覚えておかなくてはいけないのは
- いじめられた体験が成長を促す
のではありません。
子どもさんが
- いじめをどうとらえたか
が大切なのです。
- 子どもさんの考え方に働きかけることで
- "いじめという理不尽な体験による傷つき”を
- ”心の成長”に変えることができる。
長期的な視点にはなりますが、私たち大人は、いじめられたお子さんに何をすればいいか考える大きな道すじになります。
うやむやにしないできちんと解決にまで導いておくことの大切さ
いじめられた側にすれば、もう二度と加害者に会いたくないかもしれません。
もうその話は聞きたくないかもしれません。
でも長期的にPTGという視点で考えるなら加害者による正式な謝罪や学校による報告などはきちんと受けておかれることがいいと言えます。
その2に続く
子どもの話をありもまま聞く(セカンドハラスメントに気を付ける)
こちらの記事も併せてご覧ください
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