- 不登校のお子さんが再登校をチャレンジするとき
- 学校のしんどいお子さんが自分の心を守るため
“早退”をすることは必要なことです。
学校がしんどい時に、お子さんの気持ちとして
- 学校に行ったら、しんどくても帰ることができない
- 学校に行っても、しんどくなれば帰ることができる
当然 1 であれば、お子さんの学校に行く足は鈍ります。
2であれば、ちょっとなら頑張ってみようかという気持ちも出てくる。
早退を安心してできるお子さんは、不登校にならなくてもいいかもしれません。
ただ約束は守らねばなりません。
- そう言っておきながら、早退したら小言を言う
- 早退したいと先生に言うと、もうちょっとがんばれという
これをしてしまうと、1,2回はだませても結局は1、と同じだからです。
さらに悪いことに、親、学校への不信感を持ってしまう。
不信感は、ほかのことへも波及します。
お子さんの学校がしんどい理由にもよりますが、早退をうまく利用することで、べったり学校を休まなくても乗り越えられるケースはあります。
早退をするには
ただ中学生以上であれば一人で早退できるのですが、小学生ではお迎えが必要であるといわれることが多いです。
というのは、本当に嘆かわしいことですが、日本では子どもへの不審者による「声かけ」「つきまとい」「盗撮」「露出」などなどが毎日のように起こっています。
だから子ども一人だけで早退させられない。
小学生であれば充分一人で帰れるお子さんであっても、誰かのお迎えが必要となるのです。
そうなると親御さんがお仕事をお持ちでしたり、介護や、下の子の育児など有れば、対応できない日も出てきます。
早退のお迎えが必須になったのは、2004年に学校の帰宅途中での連れ去りがあったからです。
それまでは子どもさんが一人で帰れるなら、親御さんとの打ち合わせの元
“学校をでるタイミングで学校が親に連絡“
そして
“親は子どもの帰宅を電話などで確認“
という感じで子どもだけの早退も可能でした。
しかし今は小学校では基本お迎えが必要です。
こうなると簡単に早退できない。
私は長く学校の保健室で勤めていました。
時々、親御さんから
「親が責任持つから一人で帰らせてください。」
といわれることがあります。
しかし、学校は安全面から
「わかりました」
といえないことが多いです。
でもわかっていただきたいのは、お子さんを大切と思うのは、親御さんだけでなくて、学校の先生だって子どもさんがかわいいし大切だと思っている。
そしてそのお子さんの身に何かあったり、または怖い目にあったりするのは、本当につらい。
実際に2004年の連れ去られたお子さんの学校の先生とお話をしたことがあります。
いろいろなことで悔やまれています。
悲しみは深い。
決して責任問題が怖いからお迎えをお願いしているだけではなく、子どもさんに嫌な体験をしてほしくないからなのです。
ここは理解していただきたいと思います。
ただ実は、私も息子の早退のお迎えでは苦労しました。
不登校の経過の中で子どもの心を守るのため、午前中で帰らせていた時がありました。
そこで学校に必ず大人の迎えが必要と言われました。
仕事に行っている私は身動きが取れず困った時期があります。
幸い近くに祖母がすんでいましたので、頼める日は頼みました。
それでも頼めない日は
- 県外から一時間以上かけて親戚に来てもらう
- 私が仕事を早退する
- 父親が仕事を早退する
家と学校は10分ほど。
何とも効率が悪い話ではありました。
しかし先ほどの連れ去り事件は、息子の通う学校の隣の校区の事件なので、効率よりもお迎えが優先されました。
当然のことだと思います。
つまり考え方としては、“子どもの安全を守る“ということを基本にしながら、子どもさんの心の状況と地域の防犯の状況を見極めて、その都度子どもにとっていい方法を模索していくといったところでしょう。
さてもしこの件で学校が「お迎えがないと帰らさない」という姿勢を崩さないようでしたら、校長先生と直にお話しされることをお勧めします。
といいますのは私の在職中に出会った学校の校長先生のほとんどは、話次第では、許可される方の方が多かったです。
お話しされるときのポイントです。
- 子どもは学校に来たいと思っていること
- しかし時間が長くなったり科目によってはしんどくなること
- 早退できるなら学校に行きたいと思っていること
- 早退できないなら休むしかないこと
というようなことをお話しされるといいです。
学校は子どもだけでは早退させないのは意地悪ではなく子どものためのはずです。
ですから子どものために優先順位を変えてもらうように交渉しましょう。
校長先生が担任をされていた時代は、下校時間なんて気にせず、おおらかに子どもを学校に残していました。
今が過敏すぎるということを一番わかっておられるのは、校長先生かもしれません。
理解してもらえる可能性は十分あります。
子どものために始めたことが子どものマイナスになる。
あってはいけないことです。