カウンセリングルームではなぜか問題の本質が浮き上がってきます。
私は小さな相談室のカウンセラーをしていますが、カウンセリングルームって不思議な空間だなあと思うのです。
“カウンセリングルーム“ではなぜか問題の本質が浮き上がってきます。
私はカウンセラーになる前に長く小学校の保健室の先生をしていました。
ですので
- 保健室登校や不登校のお子さん
- 学校を休みがちなお子さん
- 教室に行く前に少し保健室で休むお子さん
- 休み時間に保健室で休憩するお子さん
- 放課後に保健室に遊びにくるお子さん
沢山のお子さんと関わらせていただきました。
保健室ではできるだけお話しをたくさん聞かせてもらいました。
さてあるお子さんの話。
事情がありこのお子さんのスクールカウンセラーによるカウンセリングに同席することになりました。
そして約束の時間カウンセリングルームに行き、二人でカウンセラーの前に座りました。
カウンセラーにそのお子さんが話し出します。
どんどん話します。
この時、隣で聞いていた私は内心少しびっくりしていました。
というのは、そのお子さんがカウンセリングルームでカウンセラーに話している話は、私が既に保健室で聞いたものばかり。
しかし今、カウンセリングルームでその話を聞いていると、点と点がつながるように今まで聞いていた話がつながっていきます。
そしてはっきりとあることが浮かび上がってきています。
多分、それが、今このお子さんの心がしんどい理由!
保健室で日々聞いているとわからなかったけど、カウンセリングルームで聞くとはっきりわかりました。
(なるほど!カウンセリングルームとはそういうところか)
と気がついた体験でした。
カウンセリングルームのその場所でその時間、お子さんは集中して話す。
そしてカウンセラーは集中して聴く。
そうすると浮かび上がってくるものがあるのです。
さて私の相談室でも、カウンセリングでお子さんからお聞きした話を許可を得て、親御さんにお伝えすることがあります。
するとほとんどの親御さんはその話はご存知です。
しかしそれが深い意味を持つことが分からなかったり、私と同じように何かとつながっていることに驚かれることがあります。
一緒にいればいるほど大切なことが日常に埋もれてしまうのでしょう。
生活とはそういうものなのです。
御飯を食べさせ
お風呂に入れ
洋服を準備し
宿題をさせ
学校行事があり
しっかり寝かせる
・・・本当に忙しいし、雑多なことがたくさんある。
それに比べてカウンセリングルームは話を聞く専用の部屋。
雑多なことは何もなく、日常生活から切り離されています。
カウンセリングルームの中には、話しかありません。
他にはない特別な空間です。
だから物事の本質が浮かぶ上がってくるのでしょう。
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