オーバードーズ(薬物過剰摂取・OD)とは、市販薬や医師から処方された薬を精神的なつらさを和らげるために目的に大量に飲むことを言います。
今、市販薬によるオーバードーズが10代のお子さんの中で急増しています。
数年前にインターネットで市販薬が買えるようになったことが大きい。
子どもたちは、ネットで大量の市販薬を誰の目にも触れず手に入れることができるのです。
薬は、法律できちんと定められている範囲で作られているので、指示通りに飲めば、安全だと言えます。
しかし薬局で売っている市販薬の中にも、麻薬、覚せい剤が微量に含まれているものがあります。
また他に幻覚を見るような成分の入った市販薬もあります。
このような薬を一度に大量に飲むと
- 薬物をとったときと同じ効果がを得られる。
- 飲み続けると、体が慣れ、効果を感じられなくなり量が増えていく。
- 薬ですから、内臓へのダメージはすさまじい。
- また成分によれば、禁断症状も出てくる薬もある。
- 死に至ることもあります。
さて私たち大人はどうすればいいのでしょうか
①まずオーバードーズについて知ってください。
子どもたちは、ネットで大人が驚くほど詳しい情報を知っています。
私たち大人も情報を集めましょう。
調べられると、対象となる薬は、特別な薬ではなく身近にある薬なので驚かられるかもしれません。
②お子さんの様子を毎日見ましょう。
「あれ?変だなあ」と感じたら、すぐに判断しないで経過を見てください。
人は正常化バイアスといって、自分にとって都合の悪い情報を無視して心を平穏に保とうとする脳の特性があります。
子どもが大丈夫といっても、すぐに安心しないで経過を見るようにしてください。
例えば
- お子さんが薬の空き瓶、包装紙、レシートなどを持っている。
- お子さんがいつもと違う。よく寝る・ボーっとしているやお酒に酔った感じ。薬によって症状は違う(攻撃的/幻聴/幻覚/妄想/不眠/希死念慮/意識喪失/無気力/食欲不振/便秘/頭痛/口渇(ドライマウス)/吐き気/嘔吐/だるさ/手のふるえなど)
もしオーバードーズをお子さんがしているなら
『お子さんを孤立させない。』
ということを肝に銘じてください。
「薬をやめなさい」
など頭ごなしに叱ると、お子さんは心を閉ざしてしまい、さらに悪い方向に進みます。
オーバードーズは、お子さんにとっては生きるための手段です。
生きるために、薬の力を借りてでも、抱えるつらさを和らげている。
ぎりぎりの状況なのです。
決して一人ぼっちにしてはいけません。
慎重に対応してください。
医療や福祉などの専門家に頼られることをお勧めします。