不登校のお子さんが経過の途中で、どこかしらの痛みを訴えられることは多いです。
- 頭痛
- 腹痛
- 胸痛
- 耳の痛み
- 手足の痛み など
親御さんは、何かしらの対処をされると思います。
- 冷やしたり
- 温めたり
- 優しく声かけたり
- なでたり
- 他に気をそらせる
すると痛みが治まる。
しかしまたしばらくすると痛みを訴える。
こんな状況でしたら親御さんは、
(これは、ストレスが原因だろう。)
(学校に行きたくないから言ってるのではないか?)
(大げさに言っている!)
(嘘をついている!!!)
と思われるかもしれません。
私は小学校の保健室の先生を長くしていましたので、日常的に子どもさんの痛みとは向き合ってきました。
確かに、子どもさんの訴えに
(ホントかな?)
と感じることもあるのですが、痛みというのは本人しかわかりません。
また痛みを感じやすいお子さんもおられます。
精神的な要素も痛みに大きくかかわります。
本人以外での痛さの判断は難しいのです。
例えば小さいお子さんにとってお友だちとのトラブルでのケガの痛みは、倍増するようです。
友だちと取っ組み合いになったお子さん。
何を聞いても
「痛い!!!!」
と大泣きするのですが、お友だちとのトラブルが解決すると
「治りました。痛くありません。もう包帯をとってもいいですか?」
となることもしばしばです。
この場合は、本人は嘘はついてはいません。
その時は、本当に痛かったのだと思います。
〇お子さんが痛みを訴える時、大人はどうしたらいいのでしょうか?
それはお子さんの訴えにしっかり向き合うしかないと思います。
訴えがあれば、話を聞きましょう。
経過を見るために、メモなどで記録して経過を見ましょう。
- どこが痛いのか
- どのように痛いか(ジンジン/シクシク/ジリジリ/ガンガン/ ヒリヒリ/ ズキン/ グリグリ/ ズーン/ ズキズキ/ キリキリ/ チクッ/ ビリッ/ キーン)子どもさんによって表現は色々です。
- どんなときに痛むのか(ずっと痛い/食べるとひどくなる/ウンチをすると楽になる/動かすと痛いなど)
- どのくらい痛いのか(点数であらわすといいです。写真は痛みメーターです。経過を見るためにはこのようなものがあるといいです。参考 子ども情報ステーション)
この聞き取りをしっかりすれば、安心して落ち着かれるお子さんもいます。
反対に聞けば聞くほど大げさになるお子さんもいます。
これも大切な情報になります。
そして痛みがある程度継続しているならこの情報をもって、病院に連れていってください。
病院に行くと医師から診断と指示があります。
何かしらの病気の可能性があるなら、早期に対応するのがいいでしょう。
さて、もし
「異常なし」
「様子をみましょう。」
などいわれたら、お子さんが痛みを訴えるうちは、聞き取りは継続してください。
聞き取る項目に
- 心の状態
- どうしたら収まったか
をプラスしてください。
心因性の痛みは、本人がストレスに気が付いていないから起こります。
または気付いていてもそれを処理できない。
これからの聞き取りは、親御さんが原因を見つけるためというより、お子さんが自分のストレスに向き合うため、そしてそのストレスで痛めた体を自分でケアする方法を見つけるためにします。
「お医者さんは、大丈夫だと言ってるけど痛い。」
「でもいつも月曜日だなあ?」
「あれ学校に行きたくないから痛むのかなあ?」
「心と体ってつながっているのかな?」
「よく寝ると痛くなりにくい。」
「湿布を貼ると痛みがまし。」
お子さんの心の内側にジワジワと入っていきましょう。
お子さんの理解のスピードに合わせてゆっくりと進めてください。