不登校のお子さんの経過の中で
- 話し方を笑われた
- 大勢の前で話すときにうまく話せなかった
というエピソードが不登校のきっかけになっていることがあります。
吃音(きつおんー俗にいうどもり)
話し始めの言葉がつっかえてしまうことをいいます。
吃音とは
- 繰り返し「ぼぼぼく」
- 引き伸ばし 「ぼーくね」
- ブロック 「・・・(言葉が出ない)」
のようなタイプがあります。
吃音が親の育て方のせいだといわれる方がありますが、一般的な吃音には全く関係がありません。
(年齢が大きくなってから始まる吃音で、心理的なショックや脳の疾患などが原因で起こるものはあります。)
〇どのように対応するか
- 話し始めの2~4歳ぐらいのお子さんにはよくあることで、1~2年で自然に治ることがほとんどです。
- ですから様子を見ていいとお伝えしたいところですが、そのうち2割ぐらいは、小学校入学以降も症状が残ります。
- そしてもし言葉の療育を受けるなら早いほうがいいと言われる専門家もおられます。
ということを踏まえると、専門家には、一度つながっておくほうが安心です。
保健所の検診や、園学校などの健康診断のタイミングを利用されるといいと思います。
またお子さん自身にも吃音についてお話しされ、ご自身の状況について理解してもらいます。
困っていることや、からかわれたりしていないかなどについても聞いてあげてください。
〇吃音で一番大切なことは、周りの理解
コミュニケーションで大切なことは、滑らかに話すことではなく、話の内容です。
ですから吃音がでても話の内容には、関係ない。
安心してどもりながらコミュニケーションすることができる環境であれば何の問題もないのです。
しかし大人であってもそれを指摘したり、笑ったりする人もあります。
恥ずかしいですが先生であっても理解のない人はあります。
- 「もう一回行ってみて」
- 「ゆっくり落ち着いて話して」
と大人に詰め寄られる。
友だちには
- 「なんでそんな話方をするの?」
- 「ふざけているの?」
- そしてマネされたり
- 馬鹿にされたり
そうするとお子さんは
- 余計に焦って吃音がでたり
- 話せなくなったり
- どもったらどうしようと不安を抱えたり
- 話すことに恐怖を感じたり
すると
- 話すことが嫌になり
- そんな自分が嫌いになる
- 色々なことに消極的にさえなりえます。
二次障害です。
二次障害は、大人の早期の介入で減らすことができます。
先生の中には、早期の介入に二の足を踏む方がいます。
- 学校では特に問題になっていないからまだいいのではないか?
- まだまわりの子どもは気が付いていないから寝た子を起こすことになるのでは
といわれる。
東京学芸大学によると、何歳の子どもがどのくらい相手の吃音に気づくかという実験。
- 4歳 30%
- 5歳 80%
- 6歳 100%
6歳であればすべての子どもが話している人の吃音に気が付くということです。
子どもは純粋です。
目の前に起こったことに正直に反応します。
何も教えられずに
- 吃音に初めて出会えば笑うかもしれません。
- 疑問に思うかもしれません。
- ふざけていると思うかもしれません。
- 面白そう。自分もやってみようと真似をするかもしれません。
周りの子どもさんに、吃音についてお話して、どのようにかかわるのがいいのか教えてあげてください。
そうすることで子どもたちの態度は全然違います。
基本的に子どもたちは素直で優しいのです。
先手を打ちましょう。
それでもからかわれたりするかもしれません。
その都度対応します。
対応についてはお子さんに納得して進めることを忘れないでください。
からかいを止めることも大切なのですが、それ以上にお子さんには、
『親御さんがいつでも自分の味方でいてくれる』
ことを感じてもらいましょう。
大切にされていると知ってもらいましょう。
そうすることでお子さんは、ご自身の吃音と安心して向き合うことができるのです。