文部科学省から令和3年度の小中学生の不登校のお子さんの数が発表されました。
244940人でした。
昨年度は196127人でしたので48813人(24.9%)の増加。
令和3年の増え方は、グラフで見ていただいてもわかるかなと思います。
急激です。
詳しくは、文部科学省のHPへ
令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
文部科学省はこの理由を2つの観点で説明しています。
抜粋です。
- 児童生徒の休養の必要性を明示した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(以下『教育機会確保法』)の 趣旨の浸透
- 生活環境の変化により生活リズムが乱れやすい状況や、学校生活において様々な制限 がある中で交友関係を築くことなど、登校する意欲が湧きにくい状況にあったこと
2については、コロナによる影響を言っています。
これは皆さんもご想像の通りだと思います。
マスク一つとってみても、お子さんの中には
“絶対つけるべき派”
”つけたほうがいいけど苦しいからつけられない派”
”つけたほうがいいけどついうっかり外れちゃう派”
”マスクなんてつけたって意味ない派”
”マスクなんてつけたたくないけど先生に怒られるから仕方なくつける派”
などなど
様々な考えのお子さんがいて、本当はお子さん同士じゃれあったりする時間が侵食されている。
そもそも何かと規制のある学校でさらにそれでは、お子さんも当然疲れるでしょう。
文部科学省はリーダーシップをとっていただき、学校への指導をお願いしたいところです。
1について“『教育機会確保法』の趣旨の浸透”とは何を言っているか
『教育機会確保法』とはどういう法律かというというと
簡単に言うと
”学校を休むことは必要なことで、また無理に学校に戻らなくてもいい。望まれる多様な学びを日本は認めていく。”
というものです。
つまり不登校が増えたのは、この法律が浸透したからだと言っているのです。
これは、2とは違って、尊重されるべきこととなります。
私はこの法律の考えに賛同しています。
学校から離れる方向をお子さんが自分で選んだ。
その結果の不登校であれば(一時的でも恒久的でも)応援したい。
私は小さな相談室をしています。
不登校のお子さんとお話しさせていただく機会があります。
その中で「学校との決別」を宣言されるお子さんに出会うことがあります。
私はお子さんがそれを望むなら、大人としてできるだけのことをさせてもらいたいと思っています。
全国におられる24万人のお子さんが何を望まれているか?
それぞれのお子さんが望む道をすべて整備してほしいなんて言うのは、極端な話ですし非現実的です。
しかし日本では、『小学校と中学校に行く』の一通りしか整備されていません。
それではあまりにもお粗末!
『教育機会確保法』の趣旨を本当の意味で浸透させていくならば、学校以外の道を整備していくことが望まれます。
不登校を減らしていくという方向性は、もう古いのかもしれません。