かん黙(選択性かん黙・場面かん黙)

家などでは、話をすることができるのですが、特定の場所(学校など)話せなくなってしまうというものです。

子どもが自分の意志で話さないのではありません。

 


ポイント


  1. お子さんは不安から身を守っているためにかん黙になっている。
    無理には話させない。
    (すべて人に周知徹底を)

  2. まずは安心してもらうこと

  3. 話さなくてもコミュニケーションできます

  4. 医療機関の手を借りましょう

かん黙のお子さんに伝えたいこと

無理に話す必要はないです。

でも、もし困っていることがあるなら、あなたの良い方法で知らせてほしいです。

 

かん黙のお子さんの親御さんに伝えたいこと

話をすることを目指すのではなく、安心することを目指します。

お子さんの繊細さを大切にしてあげてください。

学校で全く話さなくなってしまった娘さんの相談から
※架空の事例です


学校で全く話さなくなっていると先生から連絡がありました。

かん黙かもしれません。

もう2か月になるようです。

家では普通に話しているので、このまま様子を見てもいいかなぁと思っているのですが。

自然に治りますよね?


かん黙は、不安から自分を守るために話せなくなってしまうというものですから、不安が取り除かれればまた話すようになることもあります。

しかし「話さない」ことに慣れてしまい、経過が長くなることがあります。

 

2か月ということなら医療機関などに行かれることをお勧めします。

早期に正しい対応をすることで、予後がいいという研究が出ています。

 

また不安の原因となるものが、お子さんの素質にあるのでしたら、大人の適切な対応を医療機関や学校と整理しましょう。

 

 


このまま不登校になることはありますか?


かん黙のお子さんが話をしないことは、お子さん自身が不安からすでに身を守っている状態と考えられています。

ですので、今の状態でうまく身を守れていると考えるなら、不登校にはなりにくいといわれています。

 

しかし“身を守っている”ということですから、ギリギリの状況だともいえます。

学校での環境やクラスの状況、先生の対応などの情報を集めていきたいところです。

 

不登校にならなくても、娘さんは学校ではどうしても受け身であることが多くなっています。

学校生活においては、いろいろな機会を失っている。

 

娘さんが学校で話せないことは尊重すべきことですし、無理に話す必要は全くありません。

が、貴重なお子さんの時間ですから、何か手立てを考えたいと思うのです。

 

 


学校ではお友だち数人がいろいろ助けてくれたり、うなずくだけでうまく生活できているようです。

娘は、この間、みんなと話したいと言っていました。

でも話せないのだそうです。


お子さんが話したいと思っていることは、とてもよい方向です。

よいお友だちが周りにいるときは、チャンスといえます。

 

話すことにはこだわらないで、コミュニケーションをとることを楽しんでほしいのです。

手を使ってもいいですし、目で訴えてもいい。

カードや指差し、タブレットなど、話さなくてもコミュニケーションをする方法はたくさんあります。

 

『意思を伝える』こと。

そして、その意思をお友だちが『受け止めてくれること』。

それを楽しんでほしいのです。

 

それから、お子さんに話したい気持ちがあるなら

『話すこと』

のウオーミングアップを、始めるといいですね。

 

家ではお話しされるとのことですが、その範囲を広げていきましょう。

はじめは、緊張しない家族と話しをする機会を増やしていきます。

次に祖父母、親戚、近所の人、お店の人などなど。

 

ほんの少しずつ

  • 人を変えたり
  • 人数を増やしたり
  • 場所を変えたり

などバリエーションを増やします。

スモールステップで進めます。

 

決して無理強いしません。

娘さんのペースで進めます。

 

 

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